研究内容

人間の生活空間に溶け込み、「賢く」「気の利いた」インタラクションで私たちを支援する、人間と共生できる知能システム(コンピュータやエージェント)。 その実現には、多様なセンサで得た膨大なデータから意味のある情報を効率よく抽出し、人間の状態や主観までも適切に認識・予測することが不可欠です。

特に、そのようなシステムが人に親しまれ頼られる存在になる上で鍵となるのが、単に命令を待つのではなく、システム側から「気を利かせて」能動的に働きかける能力です。 ただし、その働きかけが一方的な「押し付け」になっては本末転倒であり、多様な目的や感性を持つ一人ひとりの利用者に対し、適切なサービスを適切なタイミングで提供できなくてはなりません。 その実現には、例えば次のような基盤技術が求められます。

  • 画像をはじめとする多様なモーダルでのセンシングによる、周囲の人間や環境の的確な状況認識
  • 「人間の主観的な状況認識」の認識、それに基づく相手の立場に立った判断
  • 人間自身も自覚していない潜在的な情報の検知・利用
  • 人間の意図感性に寄り添う、適切な形式・タイミングでのサービスの提供
  • 人間と知能システムとの間での信頼関係の構築、好印象を与える振舞いの生成

私たち今井研究室は、これらの技術を情報処理の観点から深く探求し、「気の利いた」知能システムの実現に貢献することをめざして日々研究に取り組んでいます。

学生研究テーマ(最新3年度)

2026年度

修士論文

  • 視認性を確保し認知負荷を低減する自転車用AR後方危険通知インタフェースの開発
  • CGキャラクターの表情や字幕表示方法の違いが会話シーンの内容理解及び没入感に与える影響

卒業論文

  • 両手作業と併用可能な座位型フットジェスチャによるVR空間移動インタフェース
  • VR重量知覚操作における擬似触覚付加による電気的筋肉刺激の強度低減と操作方向の拡張
  • VR空間における接近物体の段階的フェードアウトによる視認性改善手法の評価
  • 図表を遮蔽しないARマスキングが紙媒体文書読解時の集中度と図表視認性に与える影響
  • AR-HUDの割り込み表示における先行表示のフェードアウト時間がドライバの認知に与える影響
  • VR空間における視覚誘導手法の違いが高精度操作時のユーザビリティと認知負荷に与える影響
  • VR空間におけるユーザの習熟度に応じたナビゲーション情報の段階的省略手法
  • ハイブリッドRAGを用いた執筆文脈のリアルタイム解析に基づく能動的文書執筆支援システム
  • 資料探索課題におけるヒント提示の主導権が探索方略と記憶保持に与える影響
  • 支援システムにおける助言提示の即時性と遅延がユーザの受容性に与える影響
  • 正解のない環境における複数エージェントの意見比率と集団規模が意思決定に与える影響
  • エージェントの意見提示パターンが未言及選択肢の解釈と選択行動に与える影響
  • 目的意識を持つユーザによる選択機会の有無がエージェントに対する信頼感に与える影響

2025年度

卒業論文

  • モバイルプロジェクタによる疑似立体投影ARシステムの可動性向上
  • モーションキャプチャを用いたヘアアイロン使用支援ARシステム
  • 輝度可変ARマスキングが紙媒体読書の可読性と集中度に及ぼす影響
  • VRアバターによるフィードバックを用いたバドミントン素振りフォーム修正支援システム
  • 直流前庭電気刺激を用いたVRリダイレクテッドウォーキング
  • VR空間におけるメニューUI要素の見た目がユーザビリティや認知負荷に与える影響
  • ユーザの操作履歴と「慣れ」を考慮したスマートフォンホーム画面の提案型UI最適化
  • 情報へのアクセス難易度の違いが記憶定着に与える影響
  • 完全情報ゲームにおける時間制約のペナルティの違いがプレイヤーに与える影響
  • レコメンドシステムにおける「可もなく不可もない」情報提示の有効性の検証
  • エージェントによる部分的な複数意見提示がユーザの印象形成に与える影響
  • 認知的徒弟制理論に基づく教育支援エージェントシステムのフィードバック機能の拡張

2024年度

修士論文

  • ARマスキングを用いた視覚刺激の低減による紙媒体文書読解時の集中促進手法

卒業論文

  • 高精度位置情報に基づくスマートグラス向けAR歩行者ナビゲーションの誘導デザインの比較検討
  • 歩行者ナビゲーションのユーザビリティ向上のための高精度位置情報に基づく混雑検出
  • 歩行路上の凹凸や段差を回避し安全な誘導が可能なウェアラブル歩行支援システム
  • スマートフォンによる瞬き解析を活用した学習中の休憩誘導システム
  • RFIDを用いた混雑環境下においても対象人物を見失わない自動追尾ロボット
  • 周囲環境の変化に応じて投影箇所を自律的に選択する情報投影ロボット
  • 認知的徒弟制理論の第4段階までを導入した教育支援エージェントシステム
  • VRを用いた駅構内サインにおける立体的矢印表現の有効性の評価
  • 視覚的認識及び言語解釈のズレを認識できる擬人化エージェントが与える印象の分析
  • 身体色の誘目性が助言エージェントの利用促進効果に与える影響
  • タスクに対する自律的な目標設定及び実行順序決定が対エージェント競争の効果に与える影響
  • 助言エージェントをユーザ自ら選定する機会の有無が信頼感に与える影響の調査

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