人間の生活空間に溶け込み、「賢く」「気の利いた」インタラクションで私たちをサポートしてくれる。 そんな人間と共生できる知能システム(コンピュータやエージェント)の実現には、 多様なセンサで得た膨大なデータから意味のある情報を効率よく抽出し、 人間の状態や主観を適切に認識・予測することが必要となります。
特に、そうしたシステムが人間にとって親しみやすく頼もしい存在であるためには、 単に命令を待つだけでなく自ら気を利かせて人間をサポートする、 すなわちシステム側から人間へ能動的に働きかける能力を持つことが重要です。 ただし、その働きかけが「押し付け」であっては意味がなく、 多様な目的や感性を持つ人間に対して適切なサービスを適切なタイミングで提供できる必要があるでしょう。 具体的には、次のような技術が必要になると考えられます。
- 画像をはじめとする多様なモーダルでのセンシングによる、 周囲の人間や環境の的確な状況認識
- 「人間の主観的な状況認識」の認識、それに基づく相手の立場に立った判断
- 人間自身も自覚していない潜在的な情報の検知・利用
- 人間の意図や感性に合った適切な形式・タイミングでのサービスの提供
- 人間と知能システムとの間での信頼関係の構築、好印象を与える振舞いの生成
私たち今井研究室は、このような知能システムの実現に情報処理技術の観点から貢献していくことをめざし、 研究を進めています。